- 書籍名
- 外来循環器病
- 出版社
- 医学書出版 診断と治療社
- 価格
- 5,250円(本体5,000円+税5%)
- ISBN
- 4-7878-1459-1
- サイズ
- B5判
- ページ数
- 256頁
序文
約10年前,“循環科学”という雑誌で「外来心臓病学」とい う特集があった。以来、内科開業医が勉強しなければならないのは、まさに「外来内科学」、あるいは専門性に応じて「外来循環器病学」、「外来消化器病学」、「外来○○○学」であると考えるに至った。
日本の医療制度では、開業医は外来診療のみを担当する。
したがって、すべての疾患を純粋に外来診療の立場から考えてみる必要がある。
しかし、多くの教科書や総説を読んでも、あるいは講演会に出席しても、本当に外来の立場で考えているものは少ない。また、教科書や講演会やガイドラインで『こうすべき』とはいわれても、設備の限られた、忙しい外来での実行は至難の業である。外来循環器病を考えるからには、これを実行可能にする方法にも思考をめぐらさねばならない。本書は筆者自身の循環器病外来診療ノートである。
14年前に内科循環器科を開業して以来、外来医の立場から、循環器病をどのように受け止め、どのようにマネジメントすべきかを考え続けてきた。自分なりに満足のゆく外来を目指して、病診連携で核医学検査に至るすべての検査を自分の外来から予約できる ようにし、各分野の専門医とも連携を保ち、限られた設備でも外来で扱うべきすべての疾患に対応できるようにしてきた。
また、自分の仕事の半分を代行してくれるコメディカルを養成し、忙しい外来でも、やらなければならない生活習慣病のwork upや患者指導を行えるシステムを構築すべく努力してきた。
一方、多くの講演会や研究会への出席、春秋の学会参加での情報収集で世の中の動向をつかむようにした。Braunwald著“Heart Disease”、MGH group著“The Practice of Cardiology”、“Up to Date”、日本循環器学会・AHA/ACC・その他の種々ガイドラインを主な参考書としながら、1999年以降普及し始めたインターネットを利用してN Engl J Med,Am J Med,Lancet,Circulation,J Am Coll Cardiol,Am J Cardiol,Hypertension,Am J Hypertensなどの文献をチェックし、外来診療に関係する論文約3,500編のサマリーを整理し、evidenceに基づく知識を積み上げてきたつもりである。
そして、これらを元に外来診療から考える循環器病、および循環器病の適切な外来診療について、自分なりに構成し、ひとに意見を聞き、まとめたものが本書である。
本書の特徴は、①日常遭遇する循環器病を純粋に外来の立場から考え、診療上の諸問題をどのようにマネジメントすべきかを、実際その立場にいる筆者が、日常診療での疑問点や悩みも含め、ありのままに書いたことと、 ②『こうすべき』といわれていることを、限られた設備の忙しい外来でも実行可能にするシステム(病診連携・コメディカルの育成と医療への参加)を提案したことである。
したがって,外来に携わる医師にとっては現実味のある内容となっていると考える。ただ、入院後の問題にはほとんど触れておらず、循環器病の一面だけを捉えたものとして、その限界を認めざるを得ない。
また、わが国の内科開業医の大部分は筆者と同じ立場(大病院へ30分程度でアクセス可能な内科診療所医師)にいるものと考えて執筆したが、これに当てはまらない環境についても限界があり、お許しをいただきたい。内科開業医はもちろんであるが、将来開業を考えている医師、病院で外来を担当する医師、外来で働く看護師はじめコメディカル諸氏にも広く読んでいただきたい。
また、病院におられる専門医の先生方にも、開業医からみた循環器病というもの、あるいは開業医の悩みを理解していただくきっかけになれば幸いである。循環器病の重要な部分でありながら、筆者自身なお、どのようにマネジメントすべきか悩んでいて、自信をもって公表できない部分がいくつかあり、そのような部分は本書から欠落している。
ご容赦いただくとともに、ご意見を頂戴できれば、これまた幸いである。
2006年3月 著者











04月10日
